富士山と三保松原と起重機船デジタルフォトコンテストの結果発表
清水海岸の「三保松原」は平成25年に富士山世界文化遺産の構成資産に登録されましたが、その審査の過程で、既存の消波ブロックが景観上望ましくないとの指摘を受けました。このため、静岡県では、砂浜の保全と世界遺産にふさわしい景観を高度に両立させるため、既存の消波ブロックを新たにL型突堤に置き替える工事を進めています。
海上工事では大きな起重機船を使って作業しますが、「富士山」と「三保松原」と「起重機船」のミスマッチな景色が見られる機会は今だけ。そこで、この期間限定の“ミスマッチな風景”をテーマにフォトコンテストを開催しました!
~審査の様子~
前景の松の枝葉と遠景の富士山の間に、函体や周りの作業船がシャープに写し出されたことにより、松と富士というこの土地柄を象徴する親しみのある風景の中に、見慣れない起重機船のダイナミックな作業風景が同時に撮影され、ミスマッチな対象物群ながらも、構図としてはそれらがバランスよくおさめられた作品です。
起重機船の存在を「富士を吊る」というタイトルで逆手に取ることで、富士山とのミスマッチ感がうまく表現されています。また、施工位置の状況がひと目で把握できるところも評価されました。ユニークなタイトルと撮影内容がうまくかみ合った作品です。
ひと仕事終えて清水港内を悠然と帰港する起重機船の雄姿と富士山とのミスマッチな関係を、松の額縁効果によってうまくひとまとまりの構図として撮影した点が評価されました。松の緑とともに空と海の青さが美しく表現されています。
応募作品の中で唯一、人と鳥が写っており、それらと同時に撮影された巨大な函体との対比関係によって、工事現場の圧倒的なスケール感が上手に表現されています。クローズアップされた函体は、富士山と重ねる構図によってミスマッチ感が演出されており、同時に工事のダイナミックさと重量感が伝わるすばらしい作品でした。