景勝を支える技術
砂の移動距離を短縮する(サンドバイパス)
距離を短縮させたり、混雑する区間を迂回させる道路の名称で、「バイパス」という言葉を耳にしたことがあると思います。
清水海岸では、この 「バイパス」と名のつく工事を実施しています。
清水海岸の砂は、川の流れと海の波により長い年月をかけて安倍川から流れてきます。しかし、かつて安倍川で行われた砂利採取により流れてくる砂の量が一時的に減り、清水海岸では砂浜がなくなっていく「海岸侵食」が起こっています。
現在は安倍川で過剰な土砂採取は行われておらず、砂浜は西側から徐々に回復してきています。ただ、清水海岸まで十分な量の砂が流れてくるには時間がかかるため、自然の力だけで回復するにも待たなければなりません。
そこで、砂浜が回復する時間を「短縮」させるため、安倍川の堆積土砂を清水海岸へ人為的に「バイパス」しています。
これをサンドバイパス(養浜)と呼んでいます。
このような対策を行なっているのも、「海岸侵食」により砂浜がなくなりつつあるからです。残念ながら、人の手を入れないと砂浜が消失してしまう恐れすらあります。
対策にあたっては、砂浜や海岸付近に重機やダンプトラックを入れています。
工事の光景は景観にプラスとなりませんが、美しい景観に不可欠な砂浜がなくなることは避けなければなりません。
景観と地域の安全の基礎となる砂浜を守るために、苦渋の選択として実施しています。
清水海岸の砂浜は、西側から少しづつ回復が進んでいます。人工的な対策が不要になる日が来ることを目指して、静岡土木事務所では対策を続けていきます。
是非、御理解と御協力をいただくようお願いします。
海岸にギプス?絆創膏? 大切な砂浜がなくなるのを防ぐ重要な施設
清水海岸には、ところどころにブロックを積み上げた構造物があり、砂浜がなくなるのを食い止めています。
人間で言えば、血液(砂)が流れるのを止める「絆創膏」、弱った骨(砂浜)を支える「ギプス」に例えることができます。清水海岸は、これらの構造物がなければ、海岸侵食が進み、砂浜がなくなってしまう恐れがあるのです。
砂もリサイクルの時代? 限りある資源(砂)を有効利用する
清水海岸の砂浜の砂は、安倍川から出てきた砂が長い時間をかけて静岡海岸を漂い、清水海岸にたどりついたものです。その砂の終着点は三保飛行場がある吹合の岬です。しかし、今は吹合の岬に砂が貯まりすぎて一部の砂は、海底谷と呼ばれる深い海中に移動しています。海底谷に移動した砂は二度と海岸へは戻ってきません。
この海底谷に移動する砂も、もともとは砂浜を構成していた砂です。海底谷に移動してしまう前に、海岸侵食が進行して砂浜が狭い場所に人為的に砂を移動させることにより、砂浜の砂として再利用し、砂浜の再生を図っています。
これをサンドリサイクル(養浜)と呼んでいます。
海岸侵食対策に御理解を
対策にあたっては、砂浜や海岸付近に重機やダンプトラックを入れています。
工事の光景は景観にプラスとなりませんが、美しい景観に不可欠な砂浜がなくなることは避けなければなりません。
景観と地域の安全の基礎となる砂浜を守るために、苦渋の選択として実施しています。
清水海岸の砂浜は、西側から少しづつ回復が進んでいます。人工的な対策が不要になる日が来ることを目指して、静岡土木事務所では対策を続けていきます。
是非、御理解と御協力をいただくようお願いします。